映画「盲目のメロディ」ネタバレる覚書

音楽が出てくる映画が好きです。

 主人公アーカーシュは盲目のピアニスト。彼が恋に落ちて奏でる曲が、本当に楽しくてウキウキで弾みまくっていて、つられて見ているこちらもニコニコ。なんせ演奏する場所では恋のお相手が見守っているのですもの。そこは、恋するソフィーのパパが経営するレストラン。アーカーシュのピアノでダンスパーティーが開かれるのだけれどそりゃあ皆、踊っちゃうよね!
 一方、イロイロあって最後に弾く曲は切なくて美しくて。もう1度聴きたいなぁ、と思うのは、わたくしこちら。

 最後といえば、杖で缶をカーンと飛ばすシーン。ソフィーが
「シミーの角膜を貰っちゃえば良かったのに」と言ったコトに対する苛立ちが起こした行為かな、と思いました。あの、腎臓を売ろうとした悪徳医者と変わらんではないか、愛したヒトは!ていうやり場のないアーカーシュの気持ちを缶にぶつけたのね、と。目が見えなくても缶の存在を感じられるのだと信じて疑わなかったのだけれど、時間が経ってから、もしかしてアーカーシュの缶カーンは「目、見えてる?」ていう疑問を抱かせたかった?と、気付く。オソ。

 そういえば、今はすっかりやらなくなったけれど、ちょくちょく目が見えない設定で家の中を歩いていた時期がありました。アーカーシュのように、芸術センスを高めることが出来るのでは云々という考えでもなければ、特に、目に不具合があった訳でもありません。ただただ、目が見えなくなるかもしれないから慣れておかなければ、という使命感?からでした。目を瞑り、両腕を前に横にオロオロさせて進む、狭くて短い廊下。住み慣れた家でもまあ動けないことといったら。音楽のためにあんなコンタクトレンズを装着して生活しちゃうアーカーシュってば、なかなかだと思います。
 そんなわたくしですから当然、DIALOG IN THE DARKには興味あるのですがまだ、参加したことはありません。だいあろぐ いん ざ だーく?と思ったヒトは、各自調べるように。だってソロソロ、映画の話に戻りたいじゃない?

 この映画はインド映画です。同じくインド映画の「パッドマン」でも映画冒頭に「この映画ではなんら動物を苦しめていません」といった内容のアテンションが流れます。確かにどちらの映画も動物が、痛かったかも?!と思われる物事が起こっていて、その為だと思いますがわざわざ出すのはやはり、お国柄なのでしょうか?
「盲目のメロディ」ではうさちゃんに、痛いかも案件が降りかかった結果、アーカーシュが命拾いします。事件後ヨーロッパに渡った彼の杖の持つところがうさちゃんの頭を象っていて、感謝の印?なのか?いや、感謝というかなんというか、象徴なのかな。そうそう。白い杖は万国共通のモノだと思っていたけれど、ヨーロッパのアーカーシュの杖は黒かったのです。インドでは白杖だったのに。これも、お国柄?なの?

 アーカーシュとソファーは結ばれて欲しかったけど、それもまた人生。
 で、エンドロール。
アーカーシュよりシミーの名前が先に、つまり1番にクレジットされていたのも、また人生。