月別アーカイブ: 2016年11月

ミネット・ウォルターズ著/成川裕子訳 創元推理文庫
※ありんこ天国のブックレビューは基本、ネタバレです

 谷に牙と書いて、こだまと読むのですって。
 それはさておき。
 読み終わってまず思ったのは「わからん・・・」でした。ミステリーですが、解決したと言えるのかすら、わたくしにはよく分からなかったのです。
 「結局、どうなるんだアマンダは?」
 そのまま、訳者あとがきを読むと、
『アマゾンコムの読者書評欄に寄れられた感想にも、contorted’ convoluted’ confusing などの単語が数多く見られる(どれも、複雑な、入り組んだ、ややこしい、くらいの意味だと思ってください)。ー中略ー「頭が痛くなりたかったら、本書をお読みなさい」と薦める人もいるほどであるー後略ー』
とあり、「なんだー、特別わたくしの頭が悪いて訳ではないんだー」と、安心した次第です。しかし、分からなかった=つまらなかった、ではないのがこの小説の不思議なトコロ。分かりたい一心で、読み終えた直後に再び、読み直すコトにしました。数年経って読み返すコトはあっても直近で、読み返すのは初めてです。

 物語自体のややこしさはいいとして、わたくしにはカタカナの名前が覚えられない、というハンディがあります。いやあなた、日本人の名前も覚えられないではありませんか。と、突っ込まれたら確かにそうなのですが、カタカナの名前はより輪をかけて、覚えにくいのです。
 この物語には、要の失踪人/ジェームス・ストリータートとピーター・フェントンが出てきます。1読目は、
・どちらがアマンダの旦那だっけ?
・どちらが謎のホームレス/ビリー・ブレイクに似てるんだっけ?ん?どっちも??
・スパイの容疑がかけられているのはどっちで、浮気疑惑があるのはどっちだっけ?
と、とにかく2人の区別が付けられないまま、物語を読み進め、読み終えてしまったのでした。そんな中、スキンヘッド・ホームレスの少年テリーは魅力的と言ってもいいかな(かなり上から)、という存在で、謎を追う主人公ディーコンの、実力派ながらパッとしない外見といけてない性格がちょっとだけチャーミングな感じがしないでもない(かなり上から)中年記者っぷりが、わたくしを2読目に駆り立てたのだと思います。

 2読目で相関図も多分理解できたと思われます。意外なトコロ で人と人とが繋がっていたりもして、世間は狭いのです。そして多くの コトが、ただただ偶然のようにも思えます。偶然居合わせてしまった殺人現場と偶然拾った新聞記事。弁護士達は奇遇にも関係者がクライアントで。偶然の殺人と偶然に見せかけた殺人。わたくしが偶然だと思うコトをテリーは運命だと言います。偶然=運命。そして運命は2つの失踪事件をビリーを通して結び付けてしまうのです。
 最後まで正体を明かされないフェリシティ・メカトーフはジェームスの愛人なのだろう、と予測します。名前を変えた彼女はずっと、ジェームスを待っていました。そして、ジェームスを殺したアマンダは、無罪を勝ち取る予感がします。
 そう、アマンダ。
 わたくし、小説や映画では美人に肩入れしがちなのですが、このアマンダにはなぜか、のれませんでした。美人なだけでは心惹かれないモノなのですね。

 ちなみにこの著者は、ありんこ天国の本の服を選んでくださったお客さま推薦の作家です。「女流彫刻家」を筆頭に挙げられ、初期の作品を勧められました。そして初期作品であるこの本をチョイス。女流彫刻家も読んでみます。美術系の小説には、ワクワクしてしまいます。詳しくはないクセに。

ブックカバー「本の服」の購入はこちら
 セルフネイルです。
 購入してからあまり使っていませんでしがた、ジュルネイルの道具を一式、所有しております。先月、お友達の結婚式当日朝にアタフタ・バタバタと久々に塗ってみたら楽しくて。今回は、キラキラのゴールドを下地に塗り、上からクランベリーピンクという、ちょっと紫が入った赤をムラムラになるように重ねてみました。クリスマスを意識したのですけれどね。多分言わないと、気付いて貰えませんね。
 色が付いていると、目に入るコトが多い指先、気分がうきうきします。乙女だなぁ、と感じる瞬間です。
  2016年12月14日(水)から20日(火)の一週間は、阪急うめだ本店10階中央パーク コンコース側上りエスカレータ前方のスペースに下界します。いつもお世話になっている、我々作家をまとめてくれているナゲットのYさんから来たメールには、
『タイトル:クリエイターのクリスマス「動物アートグッズ・セレクション」
     *動物に関係ない作家作品もあります(気にしない)』

とありました。*以下の文章、特にカッコ内は多分、Yさんのお心遣いのような予感。ウチの者達に関して言えば、天国に生きる動物達が満載です。と、思っております。寒い季節。マフラーもお勧めですよ。色のオーダーも承ります。
dsc_3404edited  クリスマスプレゼント選びにもお立ち寄りください。赤い5本指ソックスに入れられた鼻&小鼻ぶらりんも人数限定でお待ちしております。さらに、わたくしこと女王蟻も、休憩時間を除いて毎日、お待ちしております。ごっそりゆっくり、遊びにいらしてくださいね。
 ポーチや鞄の中に使っている柄布。以前は市販のモノを使っていました。面白い生地を探し出す能力にはどうやら長けていたようで、同じ店にお友達と一緒に行っても、
「そんな生地あった?」と言われたりして。
 アメリカの生地を使うコトが多かったのですが、リーマンショックのときは水玉とストライプしかない位、オーソドックスな柄が幅を利かせ、困ったなぁ、と思ったものです。そんな中ふと、思ったのです。

   これらの生地は全部、他人のデザインなんだなぁ
わたくし、絵を描くのも好きなんだから、オリジナルの生地を作りたいなぁ

 今は、パソコンでデータさえ作ることができればオリジナルの生地は作ることができますから「作っちゃえ〜」となりました。検索すると何件か、プリントしてくれる会社がヒットし、
・プリントできる生地が豊富
・生地を大阪の会社で見ることができる
という点に惹かれて決めた会社がテキスタイルネット。連絡を取ってショールームにお邪魔すると、待っていたのはなんと、鼻ぶらりんをご購入頂いたことコトがあるお客さまだったのです。とてつもない偶然。もちろん、彼女はわたくしからのメールで気付いておられました。お客さまを覚えれないわたくしですが、彼女のコトは覚えていて、生地選びもとても楽しく終えるコトができました。打ち合わせが終わると彼女は、
「ちょっと上司呼んできますので、待っていてください。」と仰いました。あらら、ご挨拶ご挨拶、唐突で緊張しちゃうわ、と思っていたら登場した上司へのご挨拶もそこそこに彼女は彼に言いました。
「ありんこさんとの2ショット写真を撮ってください。」ええっ、そこで上司を使うの?とびっくりしつつ、仲がいいんだなぁ、と感じた面白体験もしました。ウフフ

 そんなオリジナルのプリント生地の第2弾が、この通販サイトではフィーチャーされています。全7種類の生地の紹介を以下に致します。

opqueens-vehicle
「女王公式乗り者」
 「乗り物」ではなく「乗り者」です。
 わたくしが天国内で移動するとき、公式に乗る者です。ネバーエンディングストーリーのファルコンを連想しますよね(強制)。青空に架かる虹の中を行くわたくしと、雲から顔を出す乗り者がメルヘンな一品です。
 が、こう見えてわたくし、かなり必死にファルコン的な公式乗り者のツノを握りしめ内股に力入れて乗り者の胴体を挟んでおります。荒いのですよ、飛行が。振り落とされては堪リません。でも、空を飛べたらねぇ、それは気持ち良くてスピード出ちゃうだろうし、山をひょいと華麗に避けたくもなりますよねぇ。分かります。が、そういう飛行はプライベートのときに愉しんで欲しいものです。と、言っても聞かないので、握力と内腿を鍛える日々です。

opface-dot
「顔水玉」
「えっ、水玉?」なんて言わないでね。小さいお顔が散った、れっきとした水玉です。
ディープピンクの地に黄色が散りばめられる、コントラストが効いた色合いは、わたくしの得意とするトコロです。顔のカタチや表情も様々で、中には白目剥いているお顔もあります。退屈なときは、にらめっこするのも良いですね。

opbeamer
「ビーマー」
 目・鼻・口からビームが出て、ふたつのお顔を結びつけています。エクトプラズムでしょうか。あるいは、運命の赤い糸でしょうか。赤くありませんが。さらに通常は、小指同士を結びますが。
 濃いグリーンの地にオレンジの顔とレモンイエローのビームが浮き上がる妖しい柄です。

opfree
「フリー」
 普段の落描きを布に落とし込みました。沢山の生き物が闊歩し、所々に文字も書いてあります。手の赴くままに描いているとよく出てくるモチーフがあります。丸に点や雨粒、眼、意味のない線・線・線。それらがこの布にも詰まっています。今、下界時のテーブルに敷いている布は、手描きの布で、元は30mの布に延々描いたモノをカットして使っています。それを褒めてくださるお客さまが多いので、気を良くして描いた柄です。それにしても今はもう、30mの絵なんて、描けないような気がします。
ベージュの地にして、持ち歩いているクロッキー帳の感じを出しています。

opmittuami
 「ミッツアミー」
 髪と尻ッポを三つ編みに編んだオシャレさんです。赤いリボンも自分できれいに結びます。所々に転がっている、リンゴのような赤い果実はミッツアミーの好物です。趣味はお散歩。気付くと8kmとか歩いていて、帰るのが面倒臭くなってしまうこともしばしば。そんな時は、野宿です。おしゃれでワイルド。憧れますね。
 茶色の地にデスラー総統のような青い肌。そして金髪。

opsea-anemone
 「ギンチャク」
 イソギンチャクのようなお花のような柄で、ボタニカル。とも言えなくない柄です。このような曲線美(?)なカタチは手が勝手に描きがちです。曲線美といえば、ご多分に漏れずガウディが好きです。実際に観て、お触りしたいです。
 抹茶ミルクの地に紫と、下地より濃い黄緑のギンチャクがゆらゆらしています。

oplonges
 「ロンゲズ」
 ロン毛です。
 舞踏団です。
 ロン毛をうねらせながら舞います。お手入れ万全、月1回のトリートメントは欠かせません。ツヤッツヤの髪の毛が、彼らの唯一の衣装です。
 炎のようなほとんど赤のオレンジ色を背景に、ロン毛が色んなスタイルで舞います。

 これらの柄生地、中布に使うだけではなく表にも使いたい、と思って作ったのがパカリズムです。
パカリズムのご購入はこちら
 ありんこ天国が使用するファスナーは世界のYKKブランドです。
たまに、なんか滑りが悪いなぁ、と思うファスナーがありますが、それがYKKだった試しがありません。ですから、ファスナーは最初から、YKKを使用してきました。
 どういうきっかけだったか忘れてしまいましたがある日、引き手もYKKでオリジナルが作れると知りました。プリント生地をオリジナルに変えようと思っていた時期と重なり、それなら同時に変えてしまおう!となった訳です。

   ファスナー関連のコトは、大阪にある㈲エヌケイで頼んでいます。社長の中垣さんに相談して、YKKに元からある型を使い、ありんこマークをエンボスした金型を作って貰うつもりをしていました。
 ところが中垣さんとYKKのヒトが打ち合わせをしたときのコト。エンボスするありんこマークをご覧になったYKKのヒトが、
「こんなに可愛いのなら、引き手のカタチ自体もオリジナルで行きましょう。考えてきます。」
と、仰ってくださったというのです。なんというコトでしょう!
 しかし。ニヤニヤしたのも束の間。
 予算をお伝えしたところ、敢え無くその案は撃沈。そこはやはり、シビアでした。
「ええい、採算度外視やでぇ」とは、いきませんでした。
でも、今の丸っこいカタチや厚みも十分ウチらしく、お気に入りです。
14680864_858310410970885_5679146113785302957_o
 パスタを2Pと、見えませんがトマト缶を体内に詰めている「虫っぽい」。お出かけのみならず室内でも大活躍です。6本の足が伸びたり折れ曲がったりしてポーズを決めます。ありんこ天国のバッグ達は、このように、室内でもなかなかいい存在感を示すのです。仕舞い込むのは勿体無いですし、お外に連れて歩くのは無理だわー、という人もこんな感じでお使いください。

 写真手前に写っている緑のボトルはスパークリンングミネラルウォーター「S.PELLEGRINO(サンペレグリノ)」。ほぼ、常備しているお水です。最初の購入は、安いからという理由でしたが飲んでみると、炭酸加減が丁度良いのです。冷やさず常温で飲んでいます。
 ある日、大阪は心斎橋のクリスタ長堀であったアートマーケットに下界していたときのことです。店番しながらこの緑のボトルに口を付けて飲んでいたら、仲間の池崎さんが、
「ありんこさん、何飲んでるの?」と聞いてきました。
「水ですよー」とお返事したら、
「びっくりした、ワインがぶ飲みしているのかと思ったわ。」と仰るのです。
「幾ら何でも、下界中にお客さまの前でお酒ラッパ飲みはしないですよ〜。」と、その頃は毎晩ナイトキャップを嗜んでいたわたくしは返しました。今ではお酒はほとんど飲みません。友人と外にご飯行ったときくらいですね。
 なぜ、お酒を止めたのかというと、肌の衰えがハンパないというコトに気付いたからです。ちょこちょこ調べたら、肌の老化に飲酒は深く関係しているのだとか。それで、パンと止めたのです。しかし数年前、X JapanのYOSHIKIが、
「赤ワインを飲むようになって、肌が綺麗になった。」と言っているのを聞いて、揺れる乙女心。それでも、飲酒はこの数年控えまくっています。
 ただ、改めて見て、別に肌、綺麗になっていないのですよね。お酒を止めてもこの状態なのか?飲んでいたらもっと酷くなっていたのか?それとも、赤ワインを試してみるべきなのでしょうか?虫っぽいにワインボトルを入れて、にらめっこしてみましょうか。

虫っぽいのご購入はこちら
 ART HOUSEは、ありんこ天国を世に送り始めた頃からお世話になっているお店です。沢山の作家作品を取り扱い、ギャラリーや教室もされているというマルチなお店。ありんこ天国も過去、ぬいぬい教室を開催していました。教室て、準備やらなんやらかなり大変なのですがまた、やってみたいとはずっと思っています。思っているからにはいつか、やります。お客さま、集まるかしら?
〒550-0014
大阪市西区北堀江1-12-16
TEL&FAX 06-4390-5151
OPEN 11:00-19:30
定休日 火・水曜日
 ただの黒いトートバッグも、赤くて小さなポーチをぶら下げるとあら不思議。ちょっと目を引くではありませんか。
こちらのちっちゃいポーチは「ウケグチヌス」と言いまして、中を開けるとキーフックが4つ内蔵されています。鍵を収納できる訳ですが、キーケースにした場合は、このように鞄の外に装着するのはお勧めしません。落としてしまったら大変ですから。アクセサリーとして使う場合は万が一、落としてしまっても心折れないモノを収納してくださいね。
 あと、ウケグチポケットが「あ〜ん」してくれますよ。
14657280_862930267175566_8734512287992186178_n
ウケグチヌスのご購入はこちら
 ネットショップを作るにあたり、それぞれの住人達に入れるモノの例題画像を撮りました。
 どういう風にしようかなぁ、と考えていたときに、黒板塗料を知りました。塗ればソコが黒板になるという塗料です。チョークで書いて消してすれば、例題画像に使えるんじゃない?ということで、隣駅のホームセンターに赴き90cm角のベニヤ板とターナーのチョークボードペイントを購入しました。チョークペイントは袋に入れて、ベニヤ板は店員さんに紐を付けて貰って小脇に抱え、エッチラオッチラ徒歩と電車で帰る途中のことです。
 ホームで女性の声が、
「すいませーん。」と聞こえてきました。振り向くと、わたくしめがけて走っていらっしゃいます。
「付いていました。」と、わたくしの背中からテープを取って渡してくださったのです。見ると、ホームセンターの会計済みテープ。ベニヤ板に付けたモノがわたくしに張り付いてしまったようですが、あらら。わたくし、ホームセンターに売られていたのかしら?笑いながらお礼を言いました。なかなかこういうの、言ってくださる人いらっしゃいませんよね。わたくしも見かけたら、取って差し上げましょう。
 話が逸れました。
 そうやって持って帰ってきたベニヤに3回、塗料を重ね塗りしてできた黒板。当初の例題画像以外にもチョコチョコ使って写真を撮っています。ただ、本物の黒板と違って所詮はベニヤ。木目があるのでチョークを消しても真っさらさらの綺麗な状態には戻りません。
 うーん。普通に黒板を買ったほうが良かったか?
と、思ったのは事実です。が、あのときは、塗って黒板を作るという行為の楽しさに心奪われまくっていて、出来合いの黒板を購入するという考えが全く浮かばなかったのです。そして、その行為はとっても楽しかったのでした。

 ということで結論は、買うより時間はかかるし、表面フラットな市販の黒板の綺麗さはないけれど、作った楽しさに軍配を挙げることにします。そしてまた、余った塗料で花瓶を作ろうと目論んでいます。作ったらまたご紹介しますね。

三段チャックのご購入はこちら
わたくし、大学では版画を専攻しておりました
卒業して幾年か経ち、もうありんこ天国の住人達を地球に送り出していた頃、先輩に会いました
彼は、住人達を見て
「なんで顔手描きなん?シルクスクリーンで刷ればいいやん」と、仰いました
「版画科出てるんやから」
確かに
シルクで刷れば早いです
沢山の住人達が効率よく出来上がります

しかし、シルクで刷るなんて考えは、言われるまで全く浮かびませんでした
そして、言われても移行しようとは考えませんでした

顔は1番最後に描きます
顔が描かれていないモノ達が、机の上に並びます
そして、1人1人手に取り、描いていきます
多分そのとき、「モノ」から「者」へなるのだと、思います
「者」にするための大事な行程が、顔描きなのです
同じく手を使う作業ではありますが、シルクで刷るより一層、向き合う感じがする手描きをしていたいです

者たちは色々な顔をしていますが唯一、積極的な笑顔は描いていません
微笑んでいるように見える者はいるのですが
笑顔は住人達からの押し付けでなく、見た人に感じてほしいからかも、しれません