【ブックレビュー】ここ2ヶ月程の11冊

(画像と文章は関係ありません。ブルーオリオンという名前のめちゃめちゃ可愛い紫陽花です。・・・めちゃめちゃ可愛いです。)

「逃亡医/仙川 環」
「計画結婚/白河 三兎」
「209号室には知らない子供がいる/櫛木 理宇」
「断裂回廊/逢坂 剛」
「真夜中のマーチ/奥田 英朗」
「利休にたずねよ/山本 兼一」
「浮遊霊ブラジル/津本 記久子」
「暗幕のゲルニカ/原田 マハ」
「町長選挙/奥田 英朗」
「罪の声/塩田 武士」
「台所のオーケストラ/高峰 秀子」

 怖かったのは「209号室には知らない子供がいる」
 instagram等でもちらっと書きましたが「暗幕のゲルニカ」は、9.11とスペイン内戦の物語を行ったり来たりして、読みながら涙が溢れまくって困りました。恋人の死を仕返しに利用されたくない、という気持ち。本当に、尊い。わたくしもそうありたいです。そして、トルティージャサンド食べたい。
 わたくしが落ちる地獄は、物語消費しすぎ地獄だろうなぁ、と「浮遊霊ブラジル」
 「罪の声」は期待が大きく気持ちがはやってしまい、味わわない読み方をしてしまいました。時間をおいてもう一度、読みます。

 で、「台所のオーケストラ」。
 女優・高峰秀子の料理エッセイ本です。上記の本は全て図書館で借りたのですが、この本は購入します。高峰さんの映画は申し訳ない、1本も観ていませんが、女優でお料理も出来て。素敵。そしその文章の、大変なキュートさと言ったら。何個か気に入ったフレーズを。

 「いつになったらホンマモンの男女同権になるのかしら?」
 「残念しちゃった。」
 「ふンだくられちゃうんですからビックラ仰天です。」
 「白より赤が好きなんやからしょうむないやろうが。」

 と、書き出してみたけれどやはり文章の中で読まないと伝わらないですね。カタカナの使い方や、差し込まれる話し言葉がリズミカル。白ワイン、ではなく、白ブドウ酒と表記されていたり。お伽話感が出ますよね。飲んだら魔法が使えそうです。オリーブオイル、ではなく、オリーヴオイル。なぜかジューシーさが増す気がします。て、液体だから増すもなにも、ジュースやないけ、ですが。舶来感も増し増し。

 そして親しくお付き合いしている人が、レオナール・フジタ、梅原龍三郎、谷崎潤一郎て!それこそもう、お伽話の登場人物のような人々です。

 文章のキュートさからも滲み出ているように、載っているレシピは、なんというか快活。難しくなく、文章だけなのに、ーーそう、料理エッセイ本なのに写真は1枚もないンですーーとっても美味しそうです。分量も書いていないし、「あなたの舌で調節してね」と言われているような。わたくしのバカ舌でも大丈夫かしら?作った料理を並べて、高峰さんの映画を観たいな。快活なの、あるかしら?