住人帳」カテゴリーアーカイブ

わたくし、大学では版画を専攻しておりました
卒業して幾年か経ち、もうありんこ天国の住人達を地球に送り出していた頃、先輩に会いました
彼は、住人達を見て
「なんで顔手描きなん?シルクスクリーンで刷ればいいやん」と、仰いました
「版画科出てるんやから」
確かに
シルクで刷れば早いです
沢山の住人達が効率よく出来上がります

しかし、シルクで刷るなんて考えは、言われるまで全く浮かびませんでした
そして、言われても移行しようとは考えませんでした

顔は1番最後に描きます
顔が描かれていないモノ達が、机の上に並びます
そして、1人1人手に取り、描いていきます
多分そのとき、「モノ」から「者」へなるのだと、思います
「者」にするための大事な行程が、顔描きなのです
同じく手を使う作業ではありますが、シルクで刷るより一層、向き合う感じがする手描きをしていたいです

者たちは色々な顔をしていますが唯一、積極的な笑顔は描いていません
微笑んでいるように見える者はいるのですが
笑顔は住人達からの押し付けでなく、見た人に感じてほしいからかも、しれません